は じ め に ( 序 章 )

 

 

「星空散歩入門」周辺事情

 天文同好会「星天の会」代表&当サイトの管理人 長谷川久也  

 「星空散歩入門」は、茨城県の天文同好会「星天の会」の会員、故大野繁(おおの しげる)さんの遺稿です。(大野繁さんは、現在星天の会の永久会員となっています)
大野繁さんは、1990年癌のため、42歳の若さで他界なされました。
この「星空散歩入門」は、大野さんが病院で闘病中に執筆されたもので、大学ノート1冊にまとめられています。
亡くなられた後、大野さんの奥様から「何かの役に立てて下されば、主人も喜ぶと思います。」と大学ノート1冊に清書された「星空散歩入門」とその下書きを手渡されました。
しかし、これは大野さんの形見でもあるので、そのコピーを取り、内容だけを譲渡して頂くことにして、本体は奥様へお返しし、後日コピーを基に何らかの形にして発表するつもりでいました。
しかし、本にするには資金の問題で行き詰まり、そうかと言って、安易な物にはしたくなかったので、色々思案しているうちに、私の頭の中から段々と記憶が薄れていき、現在まで早16年もの長い年月が経ってしまいました。 私の怠慢には深く反省している所存です。
 先日、星天の会のホームページに、1986年、星天の会主催で行った関勉講演会のページをアップロードしたのですが、この講演会は大野さんのお陰で実現した経緯があり、彼との思い出を色々と懐かしんでいるうちに、ふとこの「星空散歩入門」の存在が頭をよぎりました。
これをホームページで公開したらどうだろうと思い立ち、早速製作に取りかかったという次第です。
 「星空散歩入門」は、大野さんがこよなく愛した双眼鏡、特に一般の方の手に入りやすい、口径5cm7倍(7×50)の小型双眼鏡で見つけやすい星雲・星団などの対象を、本人の感想を交えながら、初心者にもわかりやすく解説した、双眼鏡天体観察の手引き書です。
双眼鏡は、天体望遠鏡と違い、両目で対象を見ることが出来るので、目が疲れず且つ立体的に対象を観察することが出来ます。その上、視野が広いので対象を導入しやすく、天体観測入門には持って来いの機材と言えるのです。
 癌との闘病中、病院で大野さんがどんな気持ちでこれを執筆したのでしょうか・・・
希望、期待、孤独感、絶望など、在りとあらゆる思いを背負いながら。。。でも星に対する情熱を燃やし、今自分に出来ることの精一杯をこの書に込めたのだと思うと、胸が熱くなります。
亡くなる少し前、私は星天の会の内堀さんと一緒に病室を訪れました。
目も見えなくなり、話もできない状態ではありましたが、奥さんが大野さんの耳元で「内堀さんと長谷川さんが来てくれましたよ!」と言うと、はっきりとわかるようにうなずいてくれました。
そしてそれが大野さんとの最後の対面となりました。
「星空散歩入門」の下書きの最後に
ワープロでパンフレットを作り、天文雑誌に出して、配布するか?と書かれています。
大野さんは、この書を色々な人に見てもらい、天体観察に役立てて欲しかったのでしょう。
この度は、「星空散歩入門」のホームページが立ち上がり、多くの人に見てもらうことが可能になったので、大野さんも遺志が継がれて、きっと喜んでくれていることでしょう。ねえ、大野さん。。。

2006年12月・・・・・・

 

清書された「星空散歩入門」の表紙
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