池谷・張(ジャン)彗星 (153P) 

2002年2月1日午後7時頃、静岡県森町の池谷薫さんが、また約1時間半後、中国 河南省開封(カイフォン)市近くの張大慶(ジャンデキン)さんが、それぞれくじら座に独立発見した彗星です。
発見時、池谷さんは9等、張さんは8.5等と見積もられています。
池谷さんは、かの有名な「池谷・関彗星」の第一発見者でもあります。
軌道計算の結果、この彗星は1661年2月3日にポーランドの天文学者ヨハネス・ヘヴェリウスが発見した「ヘヴェリウス彗星
(C/1661 C1)」 の回帰であることがわかりました。
C/1661 C1は、2月3日から3月28日まで観測され、6度角ほどの尾が観測された彗星です。
また、この彗星の記録は、中国の文書(順治18年1月4日と8日に記録あり)、そして和歌山県の「紀州石橋家日乗」と岐阜県の「年代記録」にも残されています。
周期は、登録番号(P)が付いた周期彗星中で最長の367年で、周期200年以上で唯一、符号にP/がついています。
(2009年現在)
なお、符号Pが付されたことに伴い、ヘヴェリウス彗星の名は廃止されました。
今回は2002年の3月18日に近日点を通過し、最大光度3.5等級に達しています。

 

彗星の尾の構造がわかります

2002年3月13日宵に撮影   利根彗星観測所にて

20cm(F6)反射望遠鏡+CCDカメラST9E 使用

夕方に見えていた時の姿です。


撮影者: 古山茂




 

2002年4月6日 4時5分 茨城県つくば市・筑波山系にて

BORG125F4(12.5cm屈折望遠鏡)+PENTAX67 
EM−200にてガイド撮影 
フィルム:エクタクロームE200  5分露出
 

<<撮影者のコメント>>
夕方から明け方にまわってきた「池谷・張彗星」の姿です。
画面下の方にボーッとしている天体は、アンドロメダ大銀河(M31)です。


撮影者: 久保庭敦男




 

 

2002年5月3日 2時18分〜10分露出  茨城県つくば市・筑波山系にて

BORG125F4(12.5cm屈折望遠鏡,fl 500mm)+PENTAX67 
EM−200にてガイド撮影 
フィルム:エクタクロームE200 
 

<<撮影者のコメント>>
ゴールデンウィークの頃には、減光し尾も薄れてきました。


撮影者: 久保庭敦男



 

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