シュヴァスマン・ヴァハマン 第3彗星(73P)

シュヴァスマン・ヴァハマン第3彗星は、1930年にドイツのシュヴァスマンさんとヴァハマンさんによって発見されました。
英語読みでは、「シュワスマン・ワハマン」となり、この読み方が使われることが多いようです。
当HPでは、発見者の国籍に合わせて、ドイツ語読みを採用しています。
また、名称の綴りが長いので 「SW3 彗星」と表記されることもあります。
この彗星は、太陽の周りを約5.4年間かけて一周し、軌道が細長い楕円形をしているため、条件が合う16年ごとに地球に接近します。
2006年の接近は、この接近の年に当たり、最も明るい核は、予想では3〜4等級と言われていましたが、実際は7等級で観測されました。
このSW3彗星は、過去に「謎の彗星」と言われていました。
それは発見の1930年から1979年までの約50年もの間、観測しても見つからずに行方不明となっていたからです。
その後 1995年に太陽へ接近した際に、チリと氷の固まりである核が3つに分裂したことが確認され、2000年に太陽へ近づいたときには、新たに4つの核が発見されています。
さらに2006年の接近時には、40個以上に分裂していることが観測されています。
近い将来において核は分裂を繰り返し、やがては崩壊し消滅するものと考えられています。その際には、符号が73Pから73Dに変更されます。
下の写真は、最も明るいC核と次に明るいB核の姿を捉えたものです。

 

 

シュヴァスマン・ヴァハマン第3彗星(B核)とM13

2006年5月5日   露出時間: 計30分(12枚コンポジット)      撮影地:茨城県美浦村にて
望遠鏡: ボーグ125ED(口径125mm屈折望遠鏡,F4)   カメラ: ニコンD70
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シュヴァスマン・ヴァハマン第3彗星(C核)

2006年5月5日   露出時間: 計30分(12枚コンポジット)      撮影地:茨城県美浦村にて
望遠鏡: ボーグ125ED(口径125mm屈折望遠鏡,F4)   カメラ: ニコンD70
撮影者:久保庭敦男