スイスにあるベルン大学の天文学研究所の教授で所長であったパウル・ヴィルド氏（Paul Wild ，Astronomical Institute of Berne, Switzerland）が１９７８年１月６日と８日に、ベルン州のツィマーヴァルド観測所で撮影した写真から彗星を発見し、同彗星は発見者の名前が冠せられ、「Ｗｉｌｄ−２」と命名されました。 発見時の同彗星は、１３．５〜１４等の間の明るさで、際立った集光がありました。 また、ヴィルド氏が１月２５日に撮影した写真をもとに、この彗星が周期６．１５年の短周期彗星であると判断されましたが、現在の周期は、惑星の摂動により微妙に変化し、６．４１年とされています。 ヴィルド氏は既に退官していますが、７つの彗星をはじめ多くの小惑星や超新星を発見していて、２０世紀の天体観測の第一人者と目されています。 また、１９９９年にアメリカのNASAは「スターダスト」探査機を打ち上げ、２００４年１月３日にヴィルト第２彗星の核をフライバイして７２枚の写真を撮影しています（最接近距離２４０ km）。 それと同時にスターダストは彗星の塵を採集しており、その後２００６年１月１５日にアメリカのユタ州に帰還し、彗星のサンプルリターンに成功しています。飛行期間は７年間、４６億３千万 kmに達しました。

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