ステファン・オテルマ彗星彗星(38P) 

1867年1月22.9日(以後世界時)、フランス・マルセイユ天文台のジェローム・E・コッジャ(J. E. Coggia)がカタログに載っていない系外星雲を発見したと思い込んだ天体は、実は彗星だったのです。
その夜に詳しく観測しようとしたものの、雲が出てきてしまい確認できず、天気が回復した1月24日に同天文台のエドゥアール・ジャン=マリ・ステファン(Edouard Jean-Marie Stephan )が確認観測をしたところ、25.86日にこの天体が移動しているのを確認し、この天体が彗星であることが判明しました。
ステファンは、「この彗星は、際立った核があり、やや輝いていて丸い形状である」と述べています。
従って、この彗星はコッジャではなく、ステファンの名前が付き、「ステファン彗星」と命名されました。
同じくマルセイユ天文台のE. W. L. テンペル(E. W. L. Tempel)も、1月28.86日におひつじ座π星のそばで、この彗星を独立発見しています。
彼は、ステファンの発見を知ってはいましたが、観測形状が明らかに違うので、別個の彗星と思ったようです。
後に同じ彗星であることがわかりました。テンペルの観測では、「この彗星は、大変淡く、3分角である」と記述しています。
75年後の1942年11月6.00日、フィンランド・トゥルク大学のL.オッテルマ(Liisi Oterma;女性天文学者)は、13等の新彗星を発見し、6.84日に確認観測をしました。その時の記述は以下の通りです。「光度13等で、北へゆっくりとした動き」
この発見公表後、アメリカ・ハーバード大学天文台のフレッド・L・ホイップル(Fred L. Whipple)は、前日の11月5.23日に撮影していたパトロール写真に、この彗星が写っているのを見つけています。 光度はおよそ13等と思われると報告しています。
その後の追跡観測で、この彗星は1867年のステファン彗星と同じ軌道であることがわかり、「ステファン・オテルマ彗星」となりました。
また、1980年の回帰では、かに星雲に接近し、話題になりました。
周期は、37.7年(2018年現在)です。


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2018-08-22
38P(Stephan-Oterma)-1
久保庭敦男
2018-09-17
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久保庭敦男
2018-10-09
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久保庭敦男
2018-10-21
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久保庭敦男
2018-11-01
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久保庭敦男
2018-11-04
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野口敏秀
2018-11-15
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久保庭敦男
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野口敏秀
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久保庭敦男
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野口敏秀
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久保庭敦男
2018-11-30
38P(Stephan-Oterma)-12
野口敏秀





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