スミルノワ-チェルヌイフ彗星 (74P)

1975年3月の下旬、旧ソ連のスミルノワ氏(Tamara Mikhajlovna Smirnova ;Institute for Theoretical Astronomy,レニングラード)は、クリミア物理天文台で撮影された60分露出の写真を検査していると、1975年3月4.78日(UT)と3月16.84日(UT)に撮影された2枚の写真に同一のものと思われる1つの天体を発見しました。
この2枚の写真は、「しし座」と「かに座」の境界付近の写真でした。その天体の形状は、2枚の写真乾板の上では、ほとんど変化が無く、3月4日が15〜15.5等級、3月16日が15等級ではあったものの、この天体の正体が彗星なのか、小惑星なのかは、はっきりしませんでした。
3月30.81日(UT)にチェルヌイフ氏( Nikolaj Stepanovich Chernykh:旧ソ連 )がその天体があると予想される区域を写真撮影した結果、その天体の撮影に成功し、詳しく調べてみると、15等級の集光をもった拡散状であったため、彗星と確認されました。
また、1980年代の初めに、中野主一氏は、この彗星は実のところ、1967年3月9日に写真撮影されており、小惑星と認識されていたことを明らかにしました。
従って、この彗星の最初の写真は、1967年3月9日のもの、ということになり、同年4月4日までの写真が存在するそうです。 現在の周期は、8.52年とされています。


2009年2月20日 21h29m30s〜50s(20秒露出)
撮影地:第2利根彗星観測所
機材:20cmF6反射望遠鏡(タカハシMT-200,鏡面NTK製)+ST-9ECCDカメラ

撮影者:古山茂





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