ガン彗星(65P)
1970年10月27日、アメリカのジェームス・E・ガン氏(James E. Gunn)は、パロマー天文台の122cmシュミット望遠鏡で、くじら座の銀河団Abell
194を写した写真プレートの中にこの彗星を発見しました。 発見時は16等級。中央集光と短い尾があるものの、拡散し伸びたイメージで、動きはゆっくりと南西へ移動していました。 ガン氏は、テーブル山天文台(カリフォルニア,アメリカ)の J. W. Young 氏にこの彗星の確認を依頼。 Young 氏は61cm反射で観測をしたところ、約15等級ほどの観測限界に近い微かなイメージを得ましたが、残念ながら確認には至りませんでした。 明確な確認は、11月22・23日にJ. N. Bahcall氏 がパロマー天文台の122cmシュミット望遠鏡を使って、この彗星を16等級と観測するまで待たなければなりませんでした。 10年後、J. Dengel 氏と R. Weinberger 氏がパロマー天文台スカイサーベイ (POSS)で、この彗星の発見以前の1954年8月8日に撮影された乾板上に、未確認の彗星を見つけたことが、 IAU 回報 No. 3540 (1980,11,17)で公表されました。 内容は下記の通りです。 「12分露出の青光でのプレートでは、小さく、わずかに拡散し、長く伸び、平均視直径5秒角の淡いコマがあり、光度は19等級、一方、50分露出の赤光でのプレートでは、PA250°に約1分角に伸びた非常に淡く細い尾とみられる拡散して伸びたイメージが写っている。」 日本の野村氏(早稲田大学)は、IAU 回報 No. 3588 (1981,3,31)で、この彗星がガン彗星(65P)の発見前の記録であると指摘しています。 現在、ガン彗星の周期は、6.8年とされています。 |
2009-2-18 古山茂 |
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