カーンズ・クェー彗星(59P)
アメリカ・パロマー山天文台のカーンズさん(E. Kearns)とクェーさん(Kiem King Kwee)は、1908年以降、長い間見失われていた「テンペル・スイフト彗星」を捜す活動をしていました。 1963年8月17.46日(世界時)に撮影された乾板上に、彼らは彗星状の天体を発見しました。 その天体は「おうし座」にありましたが、「ぎょしゃ座」と「ペルセウス座」の境界近くでした。 光度は12等、中央集光の無い拡散状で、尾は1°よりも短い、と報告されています。 この彗星は8月24.44日(世界時)と24.46日(世界時)に、アメリカ海軍天文台のエリザベス・レーマーさん(Elizabeth Roemer:女性天文学者)が、口径102cmの反射望遠鏡を使って撮影した、2枚の30分露出の写真によって確認されました。 彼女は、全光度が16等で、拡散しているが西方向へ細い尾が0.5分伸びていること、、鋭く集光した17.1等の核があること、を報告しています。 当初この彗星は、失われた「テンペル・スイフト彗星」であると報じられましたが、レーマーさんの精密な彗星移動の観測の結果、テンペル・スイフト彗星とは違う方向へ動いていることがわかり、従ってこの彗星は新彗星と判断され、「カーンズ・クェー彗星」と命名されました。 現在の周期は、9.4年(2018年現在) 備考:「テンペル・スイフト彗星」は、2001年にLINEARによって再発見され、現在では「テンペル・スイフト・LINEAR彗星(11P)」と呼ばれています。 |
2019-01-13 野口敏秀 |