M31N 2008-11b (M31方向に現れた銀河系の矮新星)
分類:矮新星
<矮新星の特徴>
矮新星は、10〜3000日くらいの間隔で急激に増光(アウトバースト)し、またすぐに減光するという現象を繰り返すのが特徴である。
小規模な新星に似た光度変化を示すが、新星とはその増光のメカニズムが全く異なっている。
増光の仕方によってUGSS(はくちょう座SS型)とUGZ(きりん座Z型)、UGSU(おおぐま座SU型)に細分類される。
UG型も新星同様赤色星(赤色矮星)と降着円盤を持つ白色矮星の近接連星である。

<M31N 2008-11b について>
板垣公一さんは、2008年11月28.642日に (世界時) アンドロメダ座にある大銀河(M31)方向に14.5等級の新天体を発見した。
60cm反射望遠鏡(F5.7)によって撮影されたノーフィルターのCCD画像からの発見であった。
発見直後の観測で、この星は典型的な新星よりも青く、1時間あまりの周期で0.1等ほどの明るさの変動が見られるなど、M31内の
新星ではない可能性が指摘され、その後の詳しい分光観測により、この天体は私たちの銀河系内の矮新星であることが確忍された。

観測報告集計表について
(VSOLJ:Variable Star Observers League in Japanの観測報告フォーマットに準じています)
変光星名 一般的に3文字からなる星座符合+変光星名で表記。

新星は,星座名+novaと表記。 超新星は超新星の命名法による。
 例) 2000年いて座新星 → SGRnova2000
    1994年いて座第二新星 → SGRnova1994-2
    超新星1987A → SN1987A

星表(GSC、ヒッパルコスなど)のものは星座名を省略。
例) NSV00895 (疑変光星カタログの895番目の登録星)
   HIP033789 (ヒッパルコスカタログによる名前)
   GSC2135.1730 (GSCカタログによる名前)
   M87 (メシエカタログの87番目の登録天体)
   NGC4151 (NGCカタログの4151番目の登録天体)
観測日時 翌日の6時までは前日と考えて30時間制を採用。 例) 1月2日の午前2時 → 1月1日の26時
観測時間は、12桁(年月時分)か14桁(年月時分秒)で表記。
例) 2009年1月2日午前2時34分 → 2009 01 01 26 34
   2009年1月23日午後23時45分59秒 → 2009 01 23 23 45 59
写真やCCD観測等では,露出の中央時刻を使用。
光度 光度値+光度体系記号で表記。光度値は値を10倍して表記。
光度値が不正確な場合は値の後にコロン(:)を付ける。
目標天体が見えないときは,その星野で見える最も暗い星を調べ,その光度値の前に(<)を付ける。
例) 14.9等(不正確) → 149:
   目標天体は見えず。視野内に見えた最も暗い星は15.1等 → <151

光度体系記号は眼視観測では不要で、下の例を参照。
例) 眼視観測で5.9等 → 59
   写真観測で10.5等 → 105p
   CCDノーフィルタで12.56等 → 12.56C (CCD等で少数2桁以下まで精度がある場合は、10倍せずにそのまま表記)
観測者 観測者名は、VSOLJ (Variable Star Observers League in Japan)の観測者コードを使用。
観測者コードがない場合は、英字にて掲載。
<このページに出てくる観測者コード> 古山茂(S.Furuyama)


変光星名 観測日時 光度 観測者
M31N 2008-11b 2008 11 30.70528(UT) 156C S.Furuyama