GSC3656.1328 (多胡天体)
<重力マイクロレンズ現象による増光>
重力マイクロレンズ現象により天体が一時的に明るく見えることによる増光。10等級以上の星では非常に珍しい。
恒星GSC 3656-1328が2週間の周期で突然4等級ほど明るくなりその後元の明るさになるった。
赤色矮星か褐色矮星がGSC 3656-1328の前面を通過したことによって、重力マイクロレンズ現象が起きたと考えられている。

<発見事情>
多胡昭彦さんが2006年10月30日午後6時52分から30秒間、自宅天文台にセットした天体観測用自動撮影デジタルカメラを使って撮影された画像上で、
カシオペア座ベータ星の南約4.5度の位置に、8.8等星の新天体を思わせる天体があるのを発見した。
確認のため31日に再度撮影すると、7.5等級と明るくなっていたため特殊な変光星と判断し通報。
桜井幸夫さんも同じ天体を独立に発見している。

観測報告集計表について
(VSOLJ:Variable Star Observers League in Japanの観測報告フォーマットに準じています)
変光星名 一般的に3文字からなる星座符合+変光星名で表記。

新星は,星座名+novaと表記。 超新星は超新星の命名法による。
 例) 2000年いて座新星 → SGRnova2000
    1994年いて座第二新星 → SGRnova1994-2
    超新星1987A → SN1987A

星表(GSC、ヒッパルコスなど)のものは星座名を省略。
例) NSV00895 (疑変光星カタログの895番目の登録星)
   HIP033789 (ヒッパルコスカタログによる名前)
   GSC2135.1730 (GSCカタログによる名前)
   M87 (メシエカタログの87番目の登録天体)
   NGC4151 (NGCカタログの4151番目の登録天体)
観測日時 翌日の6時までは前日と考えて30時間制を採用。 例) 1月2日の午前2時 → 1月1日の26時
観測時間は、12桁(年月時分)か14桁(年月時分秒)で表記。
例) 2009年1月2日午前2時34分 → 2009 01 01 26 34
   2009年1月23日午後23時45分59秒 → 2009 01 23 23 45 59
写真やCCD観測等では,露出の中央時刻を使用。
光度 光度値+光度体系記号で表記。光度値は値を10倍して表記。
光度値が不正確な場合は値の後にコロン(:)を付ける。
目標天体が見えないときは,その星野で見える最も暗い星を調べ,その光度値の前に(<)を付ける。
例) 14.9等(不正確) → 149:
   目標天体は見えず。視野内に見えた最も暗い星は15.1等 → <151

光度体系記号は眼視観測では不要で、下の例を参照。
例) 眼視観測で5.9等 → 59
   写真観測で10.5等 → 105p
   CCDノーフィルタで12.56等 → 12.56C (CCD等で少数2桁以下まで精度がある場合は、10倍せずにそのまま表記)
観測者 観測者名は、VSOLJ (Variable Star Observers League in Japan)の観測者コードを使用。
観測者コードがない場合は、英字にて掲載。
<このページに出てくる観測者コード> 古山茂(S.Furuyama)


変光星名 観測日時 光度 観測者
GSC3656.1328 2006 11 09.57491(UT) 11.33C S.Furuyama