冥王星
冥王星は、発見以来長い間太陽系9番目の惑星と認められてきましたが、1992年以降、冥王星と似た大きさの天体が続々発見され、中でも2003年に発見された「エリス」は、冥王星よりわずかに大きかったため、天文学者の中では、冥王星を惑星と見なすのに疑問の声が上がりました。当時には惑星の明確な定義がなかったのが混乱の原因でした。激しい討議の末、2006年8月に国際天文学連合
(IAU) は、それまで明確でなかった惑星の定義を定めるとともに、「dwarf planet」(準惑星)という分類を新設することが採択され、その結果、冥王星は小惑星ケレス、2003
UB313:「エリス」などとともに 準惑星(dwarf planet) に分類さることになりました。 その後の2008年6月には、冥王星やエリスなどのように海王星より遠くにあり、惑星の定義を満たさない準惑星の分類名を「冥王星型天体」(Plutoid)とすることを決め、また新たな分類名が新設されました。 なお、ケレスは、火星と木星の間に軌道があるため、冥王星型天体には属さず、準惑星に分類されたままです。 冥王星は太陽からの平均距離約59億kmの所を1周約248年かけて公転しています。直径は約2284kmとされています。 その発見経緯は次の通りです。 アメリカの天文学者パーシバル・ローエルが1905年ごろに、天王星の動きにわずかな摂動を観測し、これは海王星の先に未知の惑星があるためだと考え、その存在を予測し、実際には1930年にアメリカのクライド・トンボーによって確認されました。 冥王星は、地球から遠い上に小さいので、その光度は最も明るくなった時でも13.6等星と非常に暗いので、とても見にくい星です。 従ってアマチュアの持っているような望遠鏡では、その表面を見ることは出来ず、位置のみの確認となります。 下の写真は、冥王星の移動の様子を写したもので、4日間の動きがわかります。 恒星が2重になっているのは、2日間の写真をわざとずらして合成し、冥王星の動きをわかりやすくする為です。 |
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2005年5月4日および5月8日 5/4 → 1:39〜1:57、計16分(4枚合成),5/8 → 3:21〜3:30、計8分(2枚合成) 撮影地: 茨城県常陸大宮市 機材:ボーグ125ED(12.5cm屈折望遠鏡)+ニコンD70(カメラ) |
<<撮影者のコメント>> |
撮影者:久保庭敦男 |