矮新星 M31N 2008-11b

山形県の板垣公一氏は、2008年11月28.642日に (世界時) アンドロメダ座にある大銀河(M31)方向に14.5等級の新天体を発見しました。
60cm反射望遠鏡(F5.7)によって撮影されたノーフィルターのCCD画像からの発見です。 
板垣さんが撮影した26日の画像にも写っていて、光度は下記の通りです。

Available magnitudes from Itagaki for the apparent nova.
UT 光度
2007 Oct. 13.635 20.5等以下
2008 Nov. 26.498 19.0
26.538 18.8
26.548 18.8
26.561 18.6
26.564 18.5
26.565 18.4
26.581 18.2
28.642 14.5
28.643 14.5
28.645 14.6
28.651 14.5
28.663 14.6
28.714 14.7
28.739 14.9
この新天体は、当初M31の中に現れた新星と報じられていましたが、一方では典型的な新星よりも青く、1時間あまりの周期で0.1等ほどの明るさの変動が見られるなど、M31内の新星ではない可能性が指摘されていました。
そして、その後の詳しい分光観測により、この天体は私たちの銀河系内の矮新星であることが確忍されました。
つまり、銀河系内でたまたまM31の方向に出現したという訳です。
矮新星は新星と同じように星が急激に明るくなる現象のことですが、光量は新星よりもずっと暗く、私たちのごく近くのものしかとらえられないとされています。 

(写真の矢印の先がその天体です)




2008年12月1日明け方 (2008.11.30.70528UT),露光20秒,
撮影地:第2利根彗星観測所
機材: タカハシMT200(鏡面NTK製)+ST-9E

<精測位置>  
2008.11.30.70528UT (UT表示
赤径 00h 42m 26.52s,赤緯 +42°15′36.7″, CCD光度 15.6等 ,露光20秒
                                       (測定者:古山茂)

撮影者: 古山茂




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